STEP 3 — Deploy / 3-5
世界に、公開する。
手元で動いていたサイトを、インターネットに置いて誰でも見られるようにします。これを「デプロイ」と呼びます。さらに、一度つなげば更新するたび自動で反映される仕組みや、あなただけの住所(独自ドメイン)の割り当てまで。講座でいっしょに「えいっ」と公開ボタンを押した、あの瞬間を思い出しながら進めましょう。
この章のゴール
- デプロイ(ネットに公開すること)の意味が、自分の言葉で説明できる
- GitHub Pages・Render・Vercel の違いがわかり、自分に合う公開先を選べる
- 選んだ公開先で、GitHub と連携してサイトを公開できる
- あなただけの独自ドメインを割り当てる方法を知っている
そもそも「デプロイ」とは
デプロイとは、作ったサイトをインターネット上に置いて、世界中の誰でもブラウザで見られる状態にすることです。今までのサイトは、あなたのパソコンの中だけで動いていました。それを「みんなが訪れられる場所」に引っ越しさせる——それがデプロイです。むずかしそうな響きですが、やることは驚くほどシンプルです。
どうやって公開するの?
前の章までで、プロジェクトを GitHub(コードを保管しておくネット上の倉庫)に上げましたね。その GitHub を、ホスティングサービスとつなぐだけで公開できます。ホスティングサービスとは、あなたのサイトを置いてくれる「土地と建物」のようなもの。サービスを“線でつなぐ”だけで、サーバーの設定もファイルの手書きも要りません。
となりに座って一言
「サーバーを借りて、設定ファイルを書いて……」という昔ながらの手間は、もう要りません。GitHub とサービスを“線でつなぐ”だけ。講座でも、ほとんどクリックだけで世界に出たので拍子抜けしましたよね。
公開先を選ぶ — 3つの選択肢
公開先(ホスティングサービス)には、いくつか選択肢があります。この講座でよく使う代表的な3つを紹介します。どれも GitHub とつなぐだけで、無料から始められます。まずは違いをざっくりつかみましょう。
- GitHub Pages
- GitHub がそのまま提供する公開機能。すでに使っている GitHub の中で完結するので、いちばん手軽。HTML・CSS だけの“静かな”サイト(静的サイト)向き。このサイト自身も GitHub Pages で公開されています。
- Render(レンダー)
- 静的サイトはもちろん、プログラムが裏で動く“働く”サイト(予約処理・自動メール送信など)まで公開できる、守備範囲の広いサービス。少し本格的なことをやりたくなったらこちら。
- Vercel(ヴァーセル)
- 表示の速さと使いやすさに定評があるサービス。GitHub と相性がよく、設定の自動検出が賢い。迷ったときの無難な一択。
となりに座って一言
「静的サイト」と「働くサイト」の違いだけ、ここで押さえておきましょう。お店の紹介ページのように見せるだけなら静的サイトで十分(GitHub Pages・Vercel が得意)。フォームの内容をデータベースに保存する・予約を受けるなど裏で処理が要るなら、Render のように“働く”仕組みを持てるサービスが安心です。まずは静的サイトで公開し、必要になったら引っ越せば大丈夫です。
では、3つそれぞれの公開手順を見ていきます。どれか1つを選べばOKです。共通の流れは同じ——GitHubと連携 → デプロイ → URLで確認の3ステップだけです。
A. GitHub Pages で公開する(いちばん手軽)
すでに GitHub にプロジェクトを上げていれば、新しいサービスに登録する必要すらありません。GitHub の設定画面だけで完結します。HTML・CSS だけのシンプルなサイトに最適です。
- GitHub で、公開したいリポジトリのページを開きます。
- 上部メニューの「Settings」→ 左メニューの「Pages」を開きます。
- 「Build and deployment」の「Source」で「Deploy from a branch」を選び、ブランチを main、フォルダを / (root) にして「Save」。
- 少し待つと、ページ上部に ○○.github.io/リポジトリ名 という公開URLが表示されます。クリックすれば、もう公開されています。
このサイトをGitHub Pagesで公開したいです。リポジトリのSettings→Pagesでどう設定すればいいか、初心者向けに一つずつ教えてください。公開URLがどうなるかも教えてください。
となりに座って一言
GitHub Pages はHTML・CSSだけの静的サイト専用と覚えておきましょう。フォームの内容をデータベースに保存する、といった“裏で動く処理”は GitHub Pages だけでは動きません。その場合は、後ほどの Render を選ぶか、保存先に Supabase を組み合わせます(くわしくは下のコラムで)。
B. Render で公開する(“働く”サイトまでOK)
Render(レンダー)は、見せるだけのサイトも、裏でプログラムが動くサイトも公開できる、守備範囲の広いサービスです。「いずれ予約システムや自動返信メールも付けたい」なら、最初から Render にしておくと引っ越しの手間がありません。
- Render に GitHub アカウントでログインします。
- ダッシュボードで「New +」を押します。HTML・CSSだけのサイトなら「Static Site」、プログラムが動くサイトなら「Web Service」を選びます(迷ったら、まずは Static Site)。
- 公開したい GitHub リポジトリを選び、つなぎます。
- 必要な設定(公開するフォルダ=Publish directory など)を入れて「Create」。あとは Render がビルドして公開します。
- 完了すると ○○.onrender.com のような公開URLが発行されます。
このサイトをRenderで公開したいです。Static SiteとWeb Serviceのどちらを選べばいいか、このプロジェクトの中身を見て判断し、設定(Build CommandやPublish directoryなど)の入力値も具体的に教えてください。
となりに座って一言
「Static Site と Web Service、どっち?」で迷ったら、そのまま Claude に聞くのがいちばん早いです。プロジェクトの中身(ファイル構成)を見て、適切な方と設定値を教えてくれます。無料プランの Web Service は、しばらくアクセスがないと“お休み”して次の表示が少し遅くなる点だけ、頭の片隅に置いておきましょう。
C. Vercel で公開する(速くて無難)
Vercel(ヴァーセル)は、設定の自動検出が賢く、表示も速い人気のサービスです。「あれこれ選ぶのが面倒、とにかく確実に公開したい」ならこれ。
- Vercel に GitHub アカウントでログインし、「Add New → Project」から、公開したいリポジトリを選びます。
- 設定はたいてい自動で検出されます。そのまま「Deploy」ボタンを押すだけ。あとは待つだけで、Vercel がビルドして公開してくれます。
- 完了すると ○○.vercel.app のような公開URLが発行されます。クリックして開けば、もう世界に公開されています。
このサイトをVercelで公開する手順を、初心者向けに一つずつ教えてください。今どの操作をすればいいか、画面の言葉に沿って案内してください。
結局、どれを選べばいい?
迷ったときの目安です。正解は1つではありません。あとから乗り換えることもできるので、気軽に選んでかまいません。
- とにかく手軽に、見せるだけのサイトを出したい → GitHub Pages(GitHub の中だけで完結)
- いずれ予約・自動返信など“裏の処理”も付けたい → Render(最初から働くサイトに対応)
- 細かいことは任せて、速く確実に公開したい → Vercel(自動検出が賢い)
となりに座って一言
講座では、まず GitHub Pages か Vercel で“とりあえず世界に出す”体験をしてもらうことが多いです。公開のうれしさを一度味わってから、必要に応じて Render などへ広げていけば十分。最初から完璧な選択をしようと気負わなくて大丈夫です。
フォームの保存先がある場合(Supabase との組み合わせ)
前の章でお問い合わせフォームと Supabase(保存先のデータベース)をつないだ方は、公開のときに1点だけ気をつけます。GitHub Pages や Vercel のような“見せるだけ”の公開先でも、Supabase が保存を引き受けてくれるので、フォームはちゃんと動きます。ブラウザから Supabase へ直接データを送る形だからです。
ただし、ローカル(手元)で使っていた 接続情報(URL と APIキー)を、公開先にも教えてあげる必要があります。多くのサービスには「環境変数(Environment Variables)」の設定欄があり、そこに登録します。
- 公開先サービスの設定画面で「Environment Variables(環境変数)」を開きます(Vercel・Render にはこの欄があります)。
- Supabase の Project URL と APIキー(anon key)を、ローカルで使った変数名と同じ名前で登録します。
- 登録したら、もう一度デプロイ(再公開)して反映させます。
このサイトはSupabaseと連携しています。{Vercel / Render / GitHub Pages のいずれか}で公開するとき、SupabaseのURLとAPIキーをどこにどう設定すればいいか、初心者向けに一つずつ教えてください。環境変数の名前も、このプロジェクトに合わせて教えてください。
独学だと、ここで止まる
公開したらフォームが動かない(保存されない)
手元では動いていたのに、公開したらフォーム送信でエラー——これは接続情報(環境変数)を公開先に登録し忘れているのが定番の原因です。ローカルの .env ファイルは GitHub に上げない(上げてはいけない)ので、公開先には別途登録が必要です。また、GitHub Pages は環境変数の仕組みを持たないため、APIキーの扱いに工夫が要ります。「公開先は○○です。Supabaseの接続が本番で効くように設定したい」と状況をそのまま Claude に伝えれば、あなたの構成に合った安全な方法を案内してくれます。
一度つなげば、あとは“pushするだけ”(CI/CD)
ここが、いちばん感動するところです。GitHub とホスティングサービスを一度つないでおくと、GitHub に push(更新を反映)するたびに、自動でサイトが再公開されるようになります。この「自動で公開まで流れていく仕組み」を CI/CD と呼びます。
つまり、サイトを直したくなったら——Claude Code で修正して、いつもの保存(コミット)と push をするだけ。あとは何もしなくても、数十秒後には本番のサイトに反映されています。公開作業を毎回やり直す必要はありません。
git add .
git commit -m "トップページの文言を修正"
git push
この3行を打つだけで、変更が GitHub に届き、公開先(GitHub Pages・Render・Vercel のいずれでも)が自動で再公開します。更新のたびにこれを繰り返すだけ。とてもラクになりますね。
となりに座って一言
一度つなげば、あとは“pushすれば公開”。これが CI/CD の便利さです。難しい言葉ですが、一度体験すれば一発で腹落ちします。講座で「もう公開し直さなくていいんですか?」と驚いていた、あの感覚で合っています。
あなただけの住所 — 独自ドメイン
公開直後のURLは ○○.vercel.app や ○○.github.io、○○.onrender.com といった、借り物の住所です。これを あなたの会社名.com のような、あなただけの住所に変えられます。これが独自ドメインです。名刺やチラシに載せても見栄えがよく、信頼感も増します。どの公開先でも、設定画面からドメインを割り当てられます。
やることは2つ。①ドメインを取得する(お名前.com や Google Domains などで、年間数百〜数千円ほど)。②取得したドメインを、ホスティングサービスの設定画面で「割り当て」る。この割り当ての具体的な操作も、Claude Code に聞きながら進められます。
独自ドメイン ○○.com を、Vercelで公開しているこのサイトに割り当てる方法を、初心者向けに一つずつ教えてください。ドメイン側で設定する値も具体的に教えてください。
最後に、スマホで開いて見てもらう
公開URLができたら、ぜひ自分のスマホで開いてみてください。パソコンで作ったサイトが、手のひらの中にちゃんと表示される——この瞬間が、いちばん「できた!」と実感できます。家族や知人にURLを送って、見てもらいましょう。誰かに届くために作ったサイトが、いま本当に世界とつながりました。
独学だと、ここで止まる
公開はできたのに、独自ドメインがつながらない
ドメインを割り当てても、すぐには表示されないことがあります。これは DNS(ドメインとサイトを結びつける住所録のような仕組み)の設定が、インターネット全体に行き渡るまで時間がかかるためです。数十分〜長いと1日ほど待つと、自然につながることがほとんど。それでも不安なときは、設定値が正しいかを Claude に確認してもらいましょう。「このDNSの設定値で合っていますか?」と、設定画面のスクリーンショットや数値を見せて聞くのが確実です。
この章で出てきた言葉
- デプロイ
- 作ったサイトをインターネット上に置いて、誰でも見られるようにすること。「公開」とほぼ同じ意味。
- ホスティング
- サイトを置いてくれる「土地と建物」のサービス。ここにサイトを載せて公開します。
- 静的サイト
- HTML・CSS だけでできた“見せるだけ”のサイト。お店の紹介ページなど。GitHub Pages・Vercel が得意。
- GitHub Pages
- GitHub がそのまま提供する公開機能。GitHub の中だけで完結し、静的サイトを手軽に公開できます。
- Render
- 静的サイトに加え、裏で処理が動く“働く”サイトまで公開できる守備範囲の広いサービス。
- Vercel
- 表示が速く、設定の自動検出が賢いホスティングサービス。GitHub と相性がよく、迷ったときの無難な選択。
- 環境変数
- APIキーなど大事な値を、コードの外側に分けて保管する仕組み。公開先にも別途登録が必要です。
- CI/CD
- GitHub に push するたび、自動でサイトが再公開される仕組み。一度つなげば、更新→push だけで反映されます。
- ドメイン
- サイトの住所(例:example.com)。独自ドメインを取れば、あなただけの住所を持てます。
- DNS
- ドメインとサイトを結びつける「住所録」の仕組み。設定が行き渡るまで少し時間がかかります。
この章のまとめ
- デプロイ=サイトをネットに置いて、誰でも見られるようにすること
- 公開先は GitHub Pages(手軽)/ Render(働くサイトもOK)/ Vercel(速くて無難)。どれか1つを選べばOK
- 一度つなげば push するだけで自動反映(CI/CD)。独自ドメインも割り当てられる
- Supabase 連携サイトは、公開先に 環境変数(接続情報)を登録するのを忘れずに
Support
公開で、つまずいたら。
デプロイやドメインの設定は、画面を一緒に見れば一気に解決することがほとんどです。受講中の方は、次回いっしょに公開ボタンを押しましょう。
電話で相談 080-6946-4006